【イギリス在住】日本から海外への荷物の送り方~船便・関税トラブル~

これから海外へ長期滞在する予定の方は、引っ越し時や滞在中に日本から海外へ荷物を送りたいと思っていませんか?だけど「どのように送ればいいんだろう?」とお悩みの方も多いと思います。

今回は、実際にわたしが日本からイギリスへ船便で荷物を送った方法実際に経験した関税トラブルをご紹介したいと思います!
日本からせっかく荷物を送ったのに無駄なお金を支払わなければならないなんてことにならないように、みなさんのお役に立てれば嬉しいです。

※送る国によって制限や規則は異なりますので、イギリス以外の国の方はひとつの参考にしていただけると幸いです。

目次

海外へ荷物を送る方法

海外へ荷物を送る方法はいろいろありますが、わたしは国際郵便を利用しています。

  • 船便…時間はかかるが安い
  • 航空便…速い。しかし高い。
  • EMS…国際郵便の中で最速(重さ30kgまで)。

国際郵便には上記の3つの送る手段があり、船便・航空便は荷物の重量によって下記の2つに分かれています。

  • 小型包装物…重さ2kgまで
  • 国際小包…重さ30kgまで

わたしは長期滞在が予定されており、時間がかかっても良くてかつ安く大量の荷物を送りたかったため、国際小包の船便を毎回利用しています。
急ぎで荷物を送りたい、もしくは家族やご友人から贈り物を送りたいなどの場合は航空便やEMSを利用されるよいと思います。
しかし、時間に余裕があり安く送りたいという方には、国際郵便の船便がとてもおすすめです。

※SAL便(航空便より安く船便より速い)は現在取り扱い停止中のようです。

船便に入れるもの

国際郵便では、世界共通で送れないもの送る国により送れないものが決まっています。
例えばイギリスだと、「卵類、肉類、1リットルを超える液体など」が禁制品となっています。よって、カレーやスープ類のレトルト食品、醤油などの調味料は液体が過量になりそうだったのであきらめました。(詳細はホームページをご覧ください)

渡航してすぐ生活に必要なものや、船便に入れることができないけどどうしても持って行きたいものなどは渡英時の手荷物に入れ、後から届いても大丈夫なもの(イギリスだと2~3か月くらいかかりました)を船便に入れる、などのように荷物の選別をしっかりしましょう。

国際郵便の送り方と注意点

実際に送る荷物の見通しを立て、お届け手段を決めたら「送り状などの準備」をしていきます。
あて先・発送方法ごとの料金・日数はホームページで調べることができるので事前に調べることをおすすめします。
送り方の手順はホームページにわかりやすく書かれていますが、注意点も踏まえながら簡単にご紹介します。

① 送り状の作成

  • 国際郵便マイページサービスに登録
  • 依頼主、お届け先の入力
  • 送り方の選択、内容品の入力
  • 送り状の印刷

ここで一番大変な(面倒くさい)のが「内容品の入力」です。
全ての”内容品の名前(英語)、数量、正味重量、価格、HSコード、物品の原産国”を入力する必要があります。

内容品の日英訳HSコードはホームページに一覧がありますので、そちらを参考に記入します。
※項目が細かく一覧に載っているので、例えば衣類については Shirt (for women, cotton)、Cardigan (for women, cotton)、Socks (synthetic fibers)などのように項目を分けて記載しています。

重量についてはトータル重量が実際の梱包後の荷物の重量と一致するようにする必要があります。個々の重量はおおよそで入力してみて、最終的なトータル重量が実際の荷物の重量と合うように調整しています。送り状のトータル重量より実際の重量が上回らないようにしましょう。(後から訂正が必要になるかもしれません)
数量はおおよその数で記載しています。

日本からイギリスに高価な荷物を送るときには、関税を取られることがあります。
そのため、荷物を送る際は個人の私物や中古の品物を送ることが分かるように注意しています。つまり、

使用済みの製品や買ったばかりの製品であっても、ある程度安い価格を記入するようにしています。

「個人の所有物だから金銭的価値はないよ」ということがわかればよいと思います。

② 梱包する

送り状作成と並行で構いませんが、梱包を行います。
海外への配送、特に船便など長期の配送となると扱いも雑で上下左右からの衝撃も大きくなるため、荷物が届くころには段ボールが潰れているということもあるようです。
頑丈な段ボールや、粘着性の強いガムテープでしっかり補強し、緩衝材やクッション性のある荷物をうまく利用して梱包する必要があります。
わたしはしませんでしたが、水濡れ防止のためビニールで覆うなどの対応も場合によっては必要かもしれません。
荷物と段ボールの間に隙間があれば緩衝材を詰めて、荷物へのダメージがないようにしましょう。

関税を取られないために個人的にやった方がよいことは、

新品の製品もビニールなどの包装、値札などは全部取り、新品感がないような状態にして梱包する。
段ボールの表には「Used」「Personal belonging」などと、中身が中古品や個人の私物であることがわかるように記載することをおすすめします。

引っ越し用の頑丈な段ボールでなくても意外ときれいな状態で届きました。Personal Belongingなどの記載は色んな面に書いてあった方がラベルなどで隠れないと思います。

➂ 荷物と送り状を持ち郵便局へ

全ての準備が整ったらお近くの郵便局へ持ち込み、発送をします。集荷サービスも行っているようなので、持ち込みが大変な方はご利用ください。金額については事前にホームページで計算をしていると安心です。

発送後は追跡サービスで荷物の行方を知ることができます。地方の郵便局スタートでも、翌営業日には神奈川へ送られ、日本からの発送が完了していました。その後は、イギリスに到着するまではどこにあるかは分からないので気長に待つ必要があります。

追跡サービスの照会結果。

失敗談:関税を取られた!→ 返金に成功!

初めて日本からイギリスへ船便を送った際に荷物が届かないというトラブルが発生しました!
荷物はイギリスには到着しているけど、関税に引っかかっていてCustoms chargesを支払わないと荷物を届けることができません、というものでした。

結論からいうと、

・支払いをして荷物は無事届けてもらい
・その後に返金請求をして
・支払った税金を返してもらいました!(一部は返金できない)

今回はその時の関税トラブルとその対応の流れを簡単に紹介したいと思います。
実体験に基づくものであり、地域や時期によっても細かい流れは異なると思いますが、関税を取られてしまった!取られたくない!という方の参考になればと思います。

① 税金を支払えとの手紙が届く。

自宅にParcel Forceというところから手紙が届きました。
「Customs charges(いわゆる関税)を支払う必要があるので払ってください。支払えば荷物を配達することができます。20日間荷物は預かるが、それを過ぎると送り主に返送されます」
という旨の内容でした。

わたしは渡英時には3つの大きな段ボールを送っていて、3つ共に関税の支払いが必要となっていました。
色々調べた結果、ひとまずお金を支払わないことには荷物は届かないみたいなので、大人しくまずは支払いして、その後に返金請求をすることにしました。

② 関税を支払い、荷物が届く。

Parcel Foeceから届いた手紙の1つがこちらです。

手紙に記載されているオンラインのサイトで支払いを済ませます。
わたし達はパソコンなどの電子機器類を入れていたこともあり、荷物の金額をかなり高額に設定していました。(初めての船便の時は金額を低く設定するということをしていなかったため、購入した時の金額を元に割と高めの金額を記入してしまっていました。)

GOV.UKのサイトには以下の記載があります。

Tax and duty

You’ll be contacted by Royal Mail, Parcelforce or the courier company if you need to pay any VAT, duty or delivery charges (‘handling fees’) to receive your goods.

They’ll send you a bill stating exactly which fees you need to pay.

They’ll normally hold your parcel for about 3 weeks. If you have not paid the bill by then, your parcel will be returned to the sender.

You will not have to pay anything to the delivery company to receive goods worth less than £135 unless they’re gifts over £39 or excise goods (for example, alcohol and tobacco).

GOV.UKより

つまり、£135以上の荷物を受け取る場合、もしくは£39以上の贈り物(Gift)特定物品(excise goods)の場合には税金を支払う必要があるということです。
さらにサイトをもっと見てみるとこのように書いてありました。

£39以上の贈り物の場合はVATがかかる。
£135以上の荷物の場合にはCustoms Dutyがかかる。
※Clearance fee(通関手数料)は手間賃のようなもので返金対象外となっています。

今回わたしはこの2つの税金がかかっていたために、£329.58(当時のrateで6万円程度でしょうか。。)というバカ高い税金を支払うはめになりました。中身はほとんどが日本で使用していたものなのに。。。
ネットで調べてみるとVATのみ(+Clearance fee)の支払い請求が来ている方が多いようです。

このような経緯で税金がかかるということで、ひとまずオンラインで支払いを済ませ、荷物が届くのを待ち、無事荷物を受け取ることが出来ました。

③ 返金請求をする

GOV.UKより、Import VATやCustoms Dutyの返金を求めるためには、BOR286というフォームの記載が必要となります。(Royal Mail もしくは Parcelforceから荷物が配達された場合)
また、BOR286の書類には別途必要な書類について記載があります。よって、私たちは

  • BOR286
  • customs black and white charge label(荷物に張られているラベル)
  • customs declaration form(荷物に張られている、日本で記入された税関告知書)
  • アイテムリストと写真と説明をまとめた資料(使用済みアイテム・自分たちの私物であるため、金銭的価値がないことを示す資料)

の書類を準備しました。また私たちの場合、荷物を送る際にはイギリスでの住所が未定だったため、知人宅へ荷物を送りました。その旨をカバーレターに記載したうえで、

  • エアチケット(入国日の証明)
  • ToR1(英国への移住の際に物品の税金の免除を受けるための申請書)

の資料も合わせて、BORDER FORCE宛に送付しました。

その後(おそらく2週間ほどで?)申請を受理したので返金しますとの手紙が届きました。
無事3つの荷物のImport VATCutoms Dutyが返金されました!Clearance Feeは返金対象外のため残念ながら返ってきませんでしたが、それでも本当によかったです。せっかく日本から送ったパソコン含むたくさんの荷物に高額なお金がかかるところでした。。

以上の経験とGOV.UKの記載を参考にすると、

海外からイギリスに高額な(£135以上)荷物を送る場合、もしくは£39以上の贈り物を送る場合には税金がかかってしまうということです。(金額等の規制は年々変動すると思われます。)
よって、日本から船便や航空便を送る際に(個人的に)注意している点をまとめると以下のようになります!

・価格はできるだけ低く設定する(トータル£39以下に設定)
・購入品も包装や値札を外して中古感を出す
・可能なら宛名を自分から自分へ送るようにする(贈り物ではないことを示す)
・段ボールの表には、「used」「Personal Belonging」とマジックペンで記載する

日本から高額なものを船便や航空便で送る際や、人への贈り物をする際には税金がかかるかもしれないということに注意をしましょう。
※国際郵便の場合、荷物の種別は「贈物」にチェックをつけることになりそうなので、大半はGiftとして扱われるのではないかと考えています。

まとめ

以上、日本からイギリスへの船便の送り方と関税トラブルの対処についてご紹介しました。

時間に余裕があり費用を安く抑えたいときは、国際郵便の船便がおすすめ!

国際郵便では、送り状の金額の設定梱包の仕方に注意が必要!

関税の支払い請求が来た時には、返金請求ができる!

慣れない海外の地で余計なトラブル対応は増やしたくないですよね。
日本から海外へ荷物を送りたいと考えている方や、わたしと同じようなトラブルに合ったという方の参考になれば嬉しいです。

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